共通テスト数学は他教科と比較し、難易度が高く、適切な対策を練らなければ得点しづらい科目です。問題数の多さや難易度の高さから、受験生の皆さんの中には悩みを抱えている方も多いのはないでしょうか。
2021年を境にセンター試験から共通テストへの名称変更があり、制限時間は10分増加しました。
時間が増加した分、問題の難化が進み、共通テストでは従来のセンター試験と比べて表現力や思考力、判断力を問われる問題が増加しました。知識や技能を暗記するだけでは対応できない試験へと変更され、それを活用する必要のあるテストに進化しました。
特に数学ⅠAの大問2に解答する際は変更に伴い文章量が増加したため、あらかじめ文章から情報を読み取るテクニックを身につけることは必要不可欠です。
受験生の皆さんは、2022年度共通テスト数学ⅠAの平均点をご存知でしょうか。
数学ⅠAの平均点は他教科と比較し圧倒的に低く、37.96点でした。
引用:『2022年度共通テスト平均点 – 河合塾 Kei-Net』
平均点が圧倒的に低い数学ⅠAは高得点できれば他の受験生との差を広げる大チャンスでもあります。現状はまだうまく得点できていないものの、受験当日は数学ⅠAを得点源にしたいと考えている方はいませんか。
当記事では、数学を頑張りたい受験生に向けて、共通テスト数学ⅠA大問2の対策方法について解説します。
大問1、大問3、大問4の対策については以下のリンクを参考にしてください。
『[共通テスト数学1A]大問1を20分で解くポイント!!』
『[共通テスト数学1A]大問3を14分で解くポイント!!』
『[共通テスト数学1A]大問4を14分で解くポイント!!』
共通テスト数学ⅠAの制限時間と構成まずは、共通テストの時間と大問構成、配点についておさらいしておきましょう。
共通テスト数学ⅠA の制限時間は70分です。
大問構成は以下の通りです。
年度大問1(配点30)大問2(配点30)大問3(配点20)大問4(配点20)大問5(配点20)2022数と式図形と計量2次関数、集合と命題、データ分析場合の数と確率整数の性質図形の性質2021第1日程数と式図形と計量2次関数、データ分析場合の数と確率整数の性質図形の性質2021第2日程数と式図形と計量2次関数、データ分析場合の数と確率整数の性質図形の性質大問2は何分で解けば良いのか共通テスト数学ⅠAは、大問1、大問2でそれぞれ30点ずつ、大問3、大問4、大問5でそれぞれ20点ずつから大問2つを選択し、合計100点で構成されています。
総得点のうち30%が大問2の得点であり、単純計算した場合、大問2では70分のうちの30%である21分を使用可能です。
実際に共通テストの過去問や、共通テスト模試に取り組んだことのある方であれば共通テスト数学ⅠAの大問2を21分で解くことがいかに難しいかわかる方も多いのではないでしょうか。
大問2は二次関数とデータ分析の2つの小問で構成されており、実際に大問2対策に取り組む際は、どこで時間を使ってしまうか計測し、傾向を導き出しておくことで策を講じやすくなります。
大問2 [1] 二次関数大問2 [1]では2次関数が出題されています。
一般的に10~12分程度で解答できることがベストであると言われています。
問題文は長いが焦らず読む共通テストはセンター試験と比べて、非常に問題文が長くなっています。
引用:『大学入試数学問題集成2020大学入試センター試験本試験数学I/数学IAMathJax』
上に添付した画像は2020年のセンター試験の大問1 [3]の2次関数の問題です。
引用:『大学入試数学問題集成2022大学入学共通テスト本試験数学I/数学IAMathJax』
上に添付した画像は2022年の共通テストの大問2 [1]の2次関数の問題です。
2つを比べると、2020年のセンター試験と比べて2022年の共通テストは問題文の量が多く、文の形式も大幅に変更されたことが分かります。
センター試験では、問題文が書かれており、それについての解法を空白を入れて出題されているのに対し、共通テストでは、問題文が2人の会話形式となっております。
あまり見たことがない形式なので、実際に解いた際に戸惑った方も多いのではないでしょうか。
少し問題形式が独特ではありますが、会話の中には、必ずヒントが隠されていることを常に意識して問題に取り組むことで解答を導きやすくなります。
2次関数だけでなく、違う単元も絡めてくる大問2 [2]は2021年、2022年共に二次関数が出題されました。
2022年は二次関数だけでなく、「命題と条件」の複合問題が出題されました。
引用:『大学入試数学問題集成2022大学入学共通テスト本試験数学I/数学IAMathJax』
複合問題の出題は数学に限った話ではなく、共通テスト全般で出題されています。複合問題の増加は、共通テストがセンター試験と比較し難化した大きな要因の1つです。
どの単元が来ても対応できるように、数学Ⅰの全範囲を偏りなく学習を進め、試験に臨むことは必要不可欠です。
2次関数が出題されたらグラフをイメージする2次関数からの出題はグラフに起こして考えることが非常に重要です。どういうグラフなのかをイメージし、実際に書き出しておきましょう。
グラフを書く際は以下の3ステップを徹底するようにしましょう。
上に凸か下に凸かを確認する。グラフの頂点を求める。軸との交点を求める。二次関数の問題では、二次関数を中心に一時関数や円など別の関数を踏まえて計算することが多いため、まずは問中の二次関数を確認し、グラフの全体像をイメージしましょう。
凸の方向は、x2の係数が正なら下に凸、負なら上に凸となります。
次にグラフの頂点を求めます。
グラフの頂点は、平方完成することで算出可能です。
平方完成とは、\(y=ax^{2}+bx+c\)を\(y=a(x-p)^{2}+q\)の形に直すことです。
多くの場合、二次関数は平方完成によりグラフをイメージできるため、使い勝手が良くなります。
\(y=ax^{2}+bx+c\)と\(y=a(x-p)^{2}+q\)の使い分けは以下の通りです。
\(y=ax^{2}+bx+c\)→xやyに0を代入しx軸やy軸との交点を求める場合
\(y=a(x-p)^{2}+q\)→グラフの形を具体的にイメージし、他の関数とどのような位置関係になっているか把握する場合
平方完成により、グラフの頂点$$(x,y)=(p,q)$$を求められます。
また、軸との交点を把握することでより詳細にグラフの位置を把握することが可能です。
x軸との交点の求める際は、元の式に\(y=0\)を代入しましょう。$$ax^{2}+bx+c=0$$の形になり、この方程式の解がx軸との交点の座標を意味します。
y軸との交点の座標は、\(x=0\)を式に代入することで算出可能です。与えられた式が\(y=ax+bx+c\)の場合、cがy軸と交わる際のy座標になります。
方程式の解の最大数は次数により決定します。一時関数の場合最大1つ、二次関数の場合最大2つのように次数と解の最大数は一致します。
また、x軸との交点の座標を求める必要のないケースもあります。具体的には以下の通りです。
下に凸のグラフで頂点のy座標が正上に凸のグラフで頂点のy座標が負頂点は下に凸の場合グラフの最小値、下に凸の場合グラフの最大値を意味します。上述したケースの場合、下に凸の場合、x軸を意味する\(y=0\)が最小値より小さく、上に凸の場合、x軸を意味する\(y=0\)が最大値より大きいことから好転を持たないと判断することが可能です。
共通テスト数学は時間にシビアな試験です。少しでも無駄のない解答をすることで余裕ある完答を実現することが可能です。
2次関数はグラフをミスなく書くことで、二次関数で問われるが多い範囲の中の最小値、最大値を求める問題やグラフを移動させる問題も、解きやすくなります。
大問2 [2] データの分析大問2 [2]では、ヒストグラムや散布図、分散や相関係数などのデータの分析が出題されます。
計算が少ないので、目安は先ほどよりも少し短めの7~8分で解きましょう。
問題文は長いが、形式はセンター試験と変わらない引用:『大学入試数学問題集成2022大学入学共通テスト本試験数学I/数学IAMathJax』
大問2 [1]でも記述したとおり、共通テストはセンター試験と比べて問題文が非常に長意図いった特徴があります。
大問2 [2]のデータ分析でもその傾向は顕著に現れています。
センター試験でのデータ分析の問題文は、データの記載が中心で文章が少なかったことから、読む際に時間がかからない問題構成でした。文章が少ないことから、データの把握も容易であり、数学ⅠAの得点源にしている生徒も多く見られました。
これに対し、共通テストでのデータ分析の問題文では、データの背景情報までしっかりと書き込まれています。
文が長いため、読むために要す時間が長く、加えて文のどの部分が使用すべきデータなのかを把握することが難しくなりました。
問題の形式は大幅に変わっていないにもかかわらず、文章が増加したことで、受験生は情報の取捨選択をするテクニックを身につけなければならなくなりました。
問題文の中で必要だと感じた部分を、印をつけたり、抜き出して表にするなど、あらかじめ戦略立てて大問2に臨むことで有利に共通テストを進められます。
中央値や四分位数をリスト化するヒストグラムや箱ひげ図が書かれている問題では、しばしば出題されるのが中央値や第1四分位数、第3四分位数に関連した問題が出題されます。
中央値や第1四分位数、第3四分位数を求める問題は、基本的に難易度が低く、得点源としている学生も多いのではないでしょうか。これらの問題の注意点はデータの全体の個数のみです。
個数によって求め方に若干差が生じることから個数の把握でミスしないことにだけ注意し問題に取り組むようにしましょう。
ヒストグラムと箱ひげ図と散布図の関係過去の共通テストの問題を見ると、2つのヒストグラムや箱ひげ図から散布図を求める問題が出題されています。
2つのヒストグラムや箱ひげ図を散布図にする問題を練習しておくと良いでしょう。
まとめ本日は、共通テスト大問2の解き方や早く解く方法を紹介しました。
従来のセンター試験に比べて共通テストは、問題文が多いので読むだけで時間が取られてしまいます。
焦って読むと問題文の意図がわからなかったり、問題を解く上で重要な部分を見落としてしまう可能性があります。
落ち着いて読むためにもあらかじめ戦略をたて、心に余裕を持てるようにしておきましょう。
また、地震で対策を練ることは難しいと感じた方は、塾に頼ることも選択肢の1つです。
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